『シャープさんフラットさん』観てきました

NYLON100℃の舞台、『シャープさんフラットさん』の
千秋楽を観て来ました。
今年はシアターコクーンでやっていた『どん底』も観てるので、
実はケラさん率が高いです。
当日席だったのでめっちゃパイプ椅子でしたが、
逆に前のほうに座れてラッキーだったかも。


主人公:辻煙は劇団の主宰兼脚本家。
「笑い」のあるお芝居を書くのが彼の仕事。
気づくと「笑い」を追求するあまり、
周囲の世界と自分の「笑い」との間に齟齬が生まれていた。
自分が笑えない演出で観客が笑っている。
恋人でさえ、自分の「笑い」をわかってくれない。
でも、たとえ「笑い」が取れるとしても
おもしろくない脚本を書くことなんてできない。
彼は脚本を書くことからも、劇団からも、恋人からも逃げ出して
とあるサナトリウムで暮らしていた。


公式HPにケラさんが書いている通り、半自伝的といえば半自伝的、
パラノイアックといえばパラノイアック。
ただただ爆笑しておもしろかったーというようなストーリーではないです。
世間と自分の距離感を表すタイトル『シャープさんフラットさん』。
多少の"シャープ"や"フラット"は誰にでもあると思うんだけど
それが強烈で曲げることができない人がいたとしたら、
そういうシャープさんやフラットさんは、この世の中住みづらいかも。
評価をよそに求めなければいいって話かもしれないけど、
外部の雑音をすべてシャットアウトするのは現実的じゃないし。
きっとケラさん自身もこういうモードの時ってあるんだろうなぁ。


とまあ、テーマはなかなかにシビアで重いんだけど、そこはこの劇団。
主人公の彼はつらいことを笑いに転換して乗り切る(逃避する)タイプで、
彼の妄想シーンが多く出てくるので、劇中はかなり笑えます。
大倉孝二ってすごいなー。
犬山イヌコさん、やっぱりすばらしいです。
日体大の体育教師です」と名乗って爆笑を生み出せる女優は
あの人だけだと思う。なんと卑怯な声なのか。
ちなみに、個人的にはマギーも好きです。
妙に落ち着いた滑舌が、えなりかずきを思わせますよね。失礼ですかね。
小池栄子って実はけっこう女優だったのね!
すいません。予想外でした。


そうそう、今回の舞台はダブルキャストのお芝居で、
「ブラックチーム」と「ホワイトチーム」があったのです。
私が観たのはブラックチーム。
赤坂さん役の峯村リエさんがかなり大柄な人で、
同じ役を松永玲子さんがやるホワイトチームバージョンって?と気になった。
けっこう印象変わるんじゃないかなー。


しかし下北は人が多いです。
そして本多劇場の場所はいつ行っても覚えられない。