柴田よしき『桜さがし』

  • 数ある柴田作品の中でも、これはおススメ!

桜さがし (集英社文庫)

桜さがし (集英社文庫)


(これまたSNS『やっぱり本を読む人々。』からの選択です。)
柴田よしきさんは、多作な作家さんだと思う。
ちょっと前に柴田さん読書月間を開催して、まず対象本の多さに驚いた。
その時数冊読んでみて思ったのは、この人、作品ごとにかなり傾向が違う。
文章力は高いので、途中で挫折したりってことはまずないんだけど
どれを読むか難しい人だなーという印象があった。
そんな私でも、『桜さがし』はおススメいたします。
京都行きたくなるけどね。
(ちなみに、これまで読んだ中で好きな柴田さん作品は
ワーキングガールズ・ウォー』です)


中学校の同級生4人。
卒業してもう10年以上の長い付き合いの中でそれぞれに訪れる出来事。
京都を舞台にした事件は、恋愛あり、キャリアあり。
ミステリとしての「事件」も出てくるんだけど
どちらかというと、この同級生4人の成長物語として読みました。
ひとつひとつの話に出てくるミステリとしての「事件」は
決して後味のいいものばかりではないけど、
彼らの人生に起きた「事件」は、どれもこれも切なくて素敵です。
京都弁なのもいいよなぁ。
読み終わると、この4人が昔からの友達のように感じられます。
そして、京都に行きたくなります。
吉田神社の姫だるま、今度行ったら買ってこよう。