中井英夫『虚無への供物』
- 作者: 中井英夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/15
- メディア: 文庫
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- 作者: 中井英夫
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- 読みおわっても終わった気がしないのは「三大奇書」と呼ばれる所以か
ミステリ者の端くれなら、一度は聞いたことのある本作、
SNS「やっぱり本を読む人々。」の企画によるおススメ本に挙がってきた。
こういう有名作品って、私のようなアンチベストセラー的ひねくれ読者には
出会い方が難しい。
事前情報が多すぎるのだ。
なんだか知らないけど超話題作、みたいな存在になっていると
なかなか手を出せない。
そんなこんなで未読だったけど、今回のおススメに背中を押してもらって
手に取ることにした。
読み終わったのは夜中の2時頃。頭の中はぐるぐる。
頭の中ぐるぐるしたまま寝て、起きてみたらまだぐるぐるは続いていた。
本作、好きな人は何度も読むというけど、そのわけがわかった気がする。
講談社文庫版の帯に書かれていたように、まさしく
”終わることで始まる呪縛は、今も持続している”(京極夏彦)感じ。
- ミステリ好きで
- 好きが高じてアンチミステリも読んでて
- 「ノックス」「黄色い部屋」「乱歩」「幻影城」みたいな単語ににんまりする
- でもアンチミステリって最後の解決がなんかちょっと・・・
みたいな人に強くおススメ。
前半の推理合戦はミステリ者およびアンチミステリ者を悦ばせ、
二転三転する話の展開に振り回されつつ、
息切れしないでそこを読みきると最後は衝撃的な展開。
これは予想できない。
すべての本格ミステリを見る目が1度がらっと変わった。