田辺聖子『百合と腹巻』

  • 大阪弁の恋愛小説。このセンスは秀逸!

([た]1-1)百合と腹巻 Tanabe Seiko Co (ポプラ文庫)

([た]1-1)百合と腹巻 Tanabe Seiko Co (ポプラ文庫)


田辺聖子の短編集ってけっこう持っている。
作品世界もある程度想像がつくのだけれど、
それでも新しいのを見るとチェックしてしまうくらい、好きなんです。
ポプラ文庫から出たこの本も、既読の作品が入っているけど
『薄荷草の恋』に収録されている表題作がもともとお気に入りで
かつ知らない作品がいくつか入っていたので、買っちゃいました。


表題作「百合と腹巻」。相変わらずいいなぁ。
「なんでそんな、綺麗な脚、なんですか」
と言われ、主人公が内心で
"女はこんな質問が好きなのよねー。もっと、もっと、いうてほしっ。"
と思うあたり、大好きです。
田辺聖子っていくつになってもこういう話を書ける人ですね。
「四人め」もよかったなぁ。出てくる男がアホなんだ。
河内弁を読むと、この間読んだ町田康『告白』の文章がよぎります。
「大阪無宿」も時代が出てて良いです。MMKって!


そんなポプラ文庫、10月にまた田辺聖子短編集が出るみたいです。
「おそすぎますか?」が入っているということで、また買っちゃうかも・・・。