今日の読書:柴田よしき『RIKO』

柴田よしき『RIKO』読了。

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)

  • 警察小説としては新しい(のかな?)。柴田よしきのデビュー作


著作数はかなり多い柴田よしき、これまでなんか縁がなくて読んでませんでした。
『不思議の足跡』ではじめて読んで、けっこういいかもと思って近所の古本屋でまとめ買い。
今、ひそかに柴田よしき強化月間です。
ワーキングガール・ウォーズ』の次はデビュー作『RIKO』。
新宿署で働く一人の女性刑事が主人公です。
警察小説で女性が主人公、というのは確かに珍しいと思う。
女性刑事という言葉からイメージされる女性像と
この小説のヒロインは、大きな違いがあることも確かだし。
だから裏表紙のあらすじに書かれているように「性愛小説として」また「恋愛小説として」
これを読んだ人がいるのはわかる。
けど、その場合「絶賛」するかなぁ・・・?ちょっと、ピンと来ないな。
ヒロインははじめ、自分の女性性にコンプレックスを持っている。
そこには警視庁にいた頃に起きた事件や、現役警察官の父親の影響もあるだろう。
本作で警視庁時代の思い出と直接対決することを強いられ、
最後にはそれを乗り越えたかのように一見思えるんだけど、
真逆の方向にコンプレックスが折れ曲がっただけなんじゃないかしら。
なーんて思ったり。


うーん、まあ、確実にいえることは、デビュー当時にこれを読んでいたら
まとめ買いはしなかったかな。
ワーキングガール・ウォーズ』はおもしろかったし、まとめ買いした
柴田作品がまだ残ってるので、もうしばらく読んでみます。