今日の読書:吉田音『夜に猫が身をひそめるところ』

吉田音『夜に猫が身をひそめるところ』読了。

読みながら、そうじゃないかとは思ってたけど、やっぱ吉田音って架空の存在だよね。
ということで、著者はクラフト・エヴィング商會4代目(吉田篤弘/吉田浩美夫妻の娘)
って設定ですが、まあ、それがホントだろうがフィクションだろうが、
物語が面白ければそれでよい。
この吉田音ちゃんが、友人の円田さんと「ミルリトン探偵局」を結成しまして。
「ミルリトン探偵局」ってなんなのか?というと、
円田さんのところの黒猫「Think」がね、外出してはおみやげを持って帰ってくるんだけど
(普通の猫と違って、スプラッタな生き物の残骸とかは持って帰ってこない)
そのおみやげを前に、「Thinkはどんなところからこのおみやげを持ってきたのか?」を
空想(推理)しあうのが、この探偵局の任務。
証拠で裏を取ったりしない。あくまで空想(推理)です―という、そういうお話です。
で、それぞれのおみやげにつき
「ミルリトン探偵局(音ちゃんと円田さんの空想)の章」と
「Thinkのいってきた世界の章」が
順番に描かれます。
うん、これは良い。ちゃんとクラフト・エヴィング商會印の物語。
3つの物語が入っていて、最初の1つはちょっとしみじみ。
次の「ホルン」はちょっとユーモラス。
最後の「箱舟」は、恩田陸オデュッセイア」を思い出すような・・・
話としてはだいぶ違うんだけど、なぜだか。
文章でこの本の良さを説明するのは難しいかも。
クラフト・エヴィング好きには、おすすめです。